文献調査には、情報検索システムをどうぞ !!(続)

     ○前号において、情報検索システムの紹介、概要説明をいたしましたが、本号では、このシステムの
        実際の利用方法を、図とともに説明いたします。

□ 情報検索システムの利用法
     現在,図書館では、3種の情報検索システム(詳細は前号参照)が利用できます。
    ここでは、安価で、データベースの種類も多く、さらに使い易くなった、国立情報学研究所(旧学術情報
    センター)のNACSIS-新IR を例にとり、説明いたします。
1.準備 
      検索をどなたが実際に行うのかにより、2種の方法があります。
 (1)利用者検索
      利用者自身が行う場合、教官室等から行う場合、事前に国立情報学研究所の情報検索システムの
     利用者の申請をする必要があります。申請用紙等は図書館にございますので、お申し出下さい。
 (2) 代行検索
      図書館にて、担当者が代わりに検索を行う場合です。
      この場合は、最低、後述 「2.(1)検索対象の決定」だけは、欠かせませんのでご注意下さい。
      また、学生・院生の方は、事前に担当教官の許可を必ず得て下さい。

2.検索の一般的な流れ
      基本的には、皆様が日常使われている、インターネットの検索エンジンによる検索の手順とほぼ同じです。
     NACSIS-新IRは、ブラウザにより、国立情報学研究所のホームページから、アクセスするWeb対応のもの
     (NACSIS-IR Web Front)と、Telnet接続によるラインモード対応のものがあり、どちらか使い易い方を選び
        ます。
      通常、一般的な検索は、前者、コマンドを駆使した高度な検索は後者になります。
 (1) 検索対象の決定
      何を調べるのかを決めるのですが、これが一番重要な部分です。
      何を(主題、キーワード、著者名等)があまりに広ければヒットするものが多すぎ(再現率過大)、正確性が
     低く(精度過小)なります。逆に、あまりにも特殊すぎるキーワードの場合は、正確性は高いのですが、ヒット
     率は極めて低くなります。
      検索がうまくいくかどうかの90%以上はこのキーワード(主題)選定及びそれらの加工・編集・調整にある
     といっても過言ではありません。
       ここでは、調査内容として、「冬季における太陽電池について」を想定して,キーワードに、"Solar Cell"
     (太陽電池)、"Winter"(冬季)を例に検索を進めます。
 (2) 検索システムの選定
      次に、検索を行うシステム(本学では3種のシステム)を決めますが、対象の分野は何か、検索結果に日本
     語は必要か、調べる年代の範囲は、検索経費の高低、等を中心に判断します。
     ここでは,国立情報学研究所NACSIS-新IRのWeb Frontを選択します。
                                                                                                                                                                         <図1>

(3) 接続
    検索システムが決定しましたら、インターネットにより、Webブラウザ経由(グラフィカルモード)いわば、NACSIS-IR Web Frontか、 または、Telnet経由(ラインモード)を選択し、接続します。
   利用者ID及びパスワードを入力し、検索システムに入ります。<図1>

  この時に、Telnet経由では、後で検索結果をプリントアウトするため、検索履歴(ログ)ファイルを開きます。なお、ブラウザ経由の場合は、必要な画面で随時印刷します。

                                                      <図2>
4) データベースの選定
  検索システムには、多数のデータベースがありますので、自分の調べたいものが対象となっているデータベースのボタンをクリックします。
  なお、Telnet接続においては、通常、番号(短縮名)をキーインします。
  この時、選択したデータベースの蓄積範囲、データ件数等が表示されます。
  ここでは、先の調査内容に合致したデータベースとして、"Compendex Plus"(工学全般を網羅した世界的なデータベース)を選択します。<図2>
 
(5) 検索
  
 @ キーワードの入力
     実際にキーワードを入力しますが、複数(異なる属性[主題と著者、年代等]も可)のキーワードによるAND検索やOR検索も可能です。
     ここでは、簡単検索として、単に検索条件欄に"solar cell"を入力した場合<図3>、
         複合検索として、レコード欄に"solar"、"cell"、"Winter"、年代欄に999"、"2000"を入力した場合を示します。<図4>
                                   
                                            <図3>                                                <図4>                                                                   

   A 検索結果集合の加工
      各々のキーワードに対するヒット件数(検索集合)結果が表示されますが、さらにこれらの結果間(集合間)の
     AND、OR検索もできます。
   
  B 検索結果表示
      表示ボタン又は表示コマンド(SHOW等)を選びますと、検索結果が表示されます。
     検索結果は、はじめにヒットした論文名等の一覧表示(全件又は一部)がでます。
      ここでは、複合検索の結果、3件表示されました。<図5>
     この一覧表示の中から、必要と思われるものを全部若しくは一部のみ、選択し、詳細表示<図6>を出します。
      ここでは、1番目の論文の詳細を見てみたいとの想定で、1をクリックしました。
     この時、どの程度詳細に知りたいかにより、出力モード(タイトルのみ、その他書誌事項、全情報等)を選択でき
     ます。ここでは、全項目(情報)を指定しています。
      通常の検索では、上記@〜Bを適宜繰り返しながら調査を行います。

                                              <図5>                                                <図6>


                                                  <図7>
 (6) 検索終了
      そのデータベースの検索を終了する場合は、終了ボタン又
    は終了コマンド(END等)を選択します。
      この段階では、まだ、検索システムにつながっております。た
    だし、個々のデータベースの利用料金はこの段階で表示されま
    す。<図7>


 (7) 接続終了
      システムへの接続そのものを終了させることにより、検索全体が終了します。システム全体の利用料金が表示
     されます。
      ここでは、データベース実接続時間は1分以内、詳細表示件数1件ということで、50円+13円、合計63円とな
     っております。
 (8) プリントアウト
      Telnet経由の場合,ログファイルを開き、検索結果等をプリントアウトします。

3.利用料金
      このNACSIS-新IRシステムの場合の利用料金体系は、2つあります。
    (1)従量制(データベース接続時間及び出力件数に応じた料金制)
      @ データベースに接続している時間に対して      50円/分
      A検索結果を端末に出力した件数に対して       13円/件
    (2)定額制(データベース呼び出し回数に応じた料金制)
       ・データベースを呼び出す回数に対して        30円/回
 以上、情報検索システムの利用法について、NACSIS-新IRを例に簡単に紹介いたしましたが、他のシステム(JOIS、DIA
LOG)においても、基本的な流れ及び検索方法はほぼ同様です。
 どうぞ多数のご利用お願いいたします。
[引用]国立情報学研究所情報検索システムNACSIS-IR Web Front画面

                                                         (附属図書館学術情報係)